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家具の臭い対策と有害化学物質対策

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 新品家具のホルムアルデヒドに代表される有害な化学物質による特有の臭いや成分による目やのどの痛み、頭痛等の対策では、軽減に換気を行うほか、強制的に揮発させることで改善させます。
 新品家具を購入した時、少ならず真新しい臭いがします。しかし、製品よっては特に強い臭いや、目や喉の違和感や痛み。頭痛に悩まされることがあります。家具については、使用される化学物質等の規制がないため、安価な海外製品を購入すると特に酷い製品にあたることもあります。
 安値を売りにしている商品などでは、生産国や購入後の返品条件等を確認し、事前に注意を払うことが重要です。

・主な対策
 基本的な対策は家全体の化学物資過敏症から起きるシックハウス対策と同じ原理です。この他の方法や部屋全体の改善については、「新築シックハウス対策」で紹介しています。

 ・換気による方法
 窓を開ける。換気扇を回す等して換気させることで室内の化学物質の濃度を低下させ、最も基本的で効果的な対策です。意識的な換気の他、24時間換気システムを利用する。天気の良い日に窓を開放する等継続的に行います。
 換気をする時は、無差別に窓等を開放するのではなく、風の通り道を意識して対象となる位置の窓を開放するなどして、効率的に室内全体の空気が入れ替わるようにします。

 ・揮発させる方法
  ・バーンアウト(ベイクアウト)法
 部屋全体を高温多湿として強制的に化学物質を揮発させ、換気にを行うことでその後の化学物質の揮発を現象させます。家具の対策というより、住まい全体の対策です。
 詳しくは、
 新築シックハウス対策 > シックハウス対策 バーンアウト(ベイクアウト)法 →

  ・直射日光で日干しする方法
 屋外や日差しが入る窓で直射日光に曝して化学物質を揮発させます。化学物質の種類の中には紫外線による分解される成分もあるため、効果の大きい手段です。特に壁側等で隠れる背面を日光に曝すことで、大きな効果を得ることができます。しかし、太陽光による変色や変形により家具が傷む場合もあります。
 作業実施では、家具の変形を防ぐため平らな場所で実施します。大きな家具を横にして実施するとき、風通しをよくする・キズ防止の目的で枕木等の浮かせると太陽光による熱が加わった時に変形の原因となることがあります。キズ防止に段ボール等を床(地面)全体に敷き、家具全体が床や地面等の力が加わる方向に密着するように置きます。

  ・風をあてる方法
 臭いの酷い家具に扇風機等を用いて風をあてて揮発を促します。
 特に化学物質が揮発しやすいとされる家具の裏側(ペイント・化粧がなされていない部分)を壁から離し風をあてる(送り込む)ことで揮発が促進されます。
 引き出しの奥や戸棚内部等の空気が循環し難い場所でも同様に効果があります。

  ・湿らせる方法
 水拭き、霧吹き等のにより家具を若干湿らせてから乾かすことで、水溶性の化学物質の揮発。水分の吸収と発散作用を利用して化学物質を揮発させます。濡れ雑巾で拭くだけでも一定の効果があります。加湿器を傍に置くことでも効果があります。
 水分が多すぎると変形や色むらの原因となります。また、作業後に十分に乾かさないとカビ等の原因になります。

  ・表面積を大きくする方法
 揮発し易いよう、戸棚や引出しを開放する。壁や隣接する家具と離す(壁との間に空間を持たせる)ことで空気に触れる表面積と風通しをよくすることで揮発が促進されます。
 日中(特に日差しで気温が高くなる日)の外出時に戸棚を開放して出かけるだけでもそれなりの効果があります。


・吸着、分解させる方法
 ・炭(活性炭)
 炭による化学物質吸着作用を用いて揮発した化学物質濃度を低下させます。吸着作用のみのものでは定期的に交換が必要です。
 家具内部に敷くことが出来るシート状の吸着マットが市販されいます。

 ・ピーナッツ(落花生)の殻
 ピーナッツ(落花生)の殻にもホルムアルデヒドの吸着作用があります。
 殻つきピーナッツの食べた後のゴミとなる殻を棚の内部等に入れて置きます。殻の吸着効果はそのままより細かく粉砕した方が効果が高いとされています。
 ミキサー等で粉砕しテッシュ等で包む。メッシュの袋に入れて置いておく方が効果的です。


・対策の効果
 化学物質は対策を行っても継続的に揮発し続けます。いずれの方法を行っても完全に予防することは困難であり、複数の対策を用いることで軽減させることができます。
 家具の対策にあわせ室内全体のシックハウス対策を行います。


・管理人の実体験
 ・「直射日光で日干しする方法」で家具を屋外で天日干しを試したところ、日差しの強い好天の日に1日実施するだけでもかなり改善されました。しかし、幸いにも変形こそしませんでしたが、1日で直射日光が当たった部分のネジを隠すシールの接着力がなくなり剥がれました。
 日差しの柔らかい日に数日かけて行う方が家具が傷まないかもしれません。
 
 ・「風をあてる方法」「表面積を大きくする方法」を外出する時に併用すると、帰宅時に室内の臭いの強さが明らかに強くなっていました。
 臭いの強い家具では、新しい間は在宅中で窓を開放出来ない時は戸棚を閉めて生活し、外出時に開放して扇風機をあてることを繰り返しました。

 ・「湿らせる方法」にて濡れ拭きを行うと最初は布巾(雑巾)に臭いが強く移る程ですが、繰り返す内に徐々に臭いが移らなくなり、表面部分が改善することを実感できました。
 普段触れることがない背面部分の濡れ拭き等で湿らせて揮発させることを繰り返すと、湿らせた直後に臭いがきつく、完全に乾くと緩和したように感じました。


・この他の方法について
 室内全体の化学物質汚染濃度を改善する方法としては、新築シックハウス対策にて紹介しています。より効果を得るためには複数の対策を併用することが必要です。

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