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ステンレスキッチンシンク腐食による穴あきと水漏れの補修

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 耐久性が高いステンレスキッチンシンクは、油汚れた匂いなども掃除しやすいく手入れがし易いのが特徴です。経年劣化により表面の傷やもらい錆の発生。漂白剤、塩分、塩素の他、異種金属による腐食の錆により水漏れが発生することがあります。水漏れは傷や錆による腐食による穴のほか、排水栓の接合部などから発生します。

主な水漏れ原因と補修方法

・ステンレスシンクの穴
 突起部で突くことによる破損、錆による腐食が浸食すると穴が空きます(腐食穴)。特に排水栓周囲はステンレスシンクの厚みが薄く、凹凸の形状があることで錆による腐食が発生し易いため穴が空きやすい箇所です。
 金属用のパテや万能補修材を使用することで補修することが出来ます。

・排水栓の破損
 ステンレスシンクに取付けられた排水栓の多くはプラスチック製(ポリプロピレン樹脂やABS樹脂)です。このため、錆による腐食は発生しませんが、経年劣化によりプラスチック樹脂が硬化して衝撃に弱くなります。
 排水栓は交換可能な箇所であるため、容易に交換することが出来ます。また、汎用タイプであればホームセンターでも市販され容易に入手できます。

・排水栓の密着の低下
 ステンレスシンクと排水栓は、ネジによる締め付けで密着することで水が漏れない構造となっています。このため、密着性が低下すると水漏れが発生します。
 密着性が低下する原因としては、取付部で挟まれたステンレス部が腐食による錆で穴があく、排水栓やステンレスシンク取付部の変形、ゴムパッキン(緩み止め)の劣化などがあります。
 何れも補修材のパテによる補修、排水栓の交換、ゴムパッキン(滑り止め)の交換。ゴムパッキンを追加で挟む等の方法で直すことができます。

キッチンシンクでの外注修理とDIY補修について

 キッチンシンクからの水漏れは、経年劣化に伴い発生するトラブルです。
 経年劣化による腐食は避けられないため、排水栓やゴムパッキン、排水ホース交換等の可能な部位を除くと完全に直すことが出来ません。
 特にステンレスシンク本体の腐食による錆や穴を補修材で補修し水漏れが直っても、腐食により金属部自体は厚みが薄くなり強度が下がる。表面のコーティングが失われている。補修部は異種材となる補修材(エポキシ樹脂)により異なる性質(耐久性)となるなど、補修によりどの程度持つか(再発しないか)は状況や補修作業の内容で大きな差が出ます。
 なお、エポキシ樹脂は、耐水性、耐薬品性、耐熱性、耐寒性があるため室内に設置したキッチンシンクの補修では優れた補修性能があります。

・外注による修理
 水漏れ修理を外注で行った場合、交換可能な部位(排水栓、ゴムパッキン、排水ホース等)の修理であれば、部品交換などの修理対応を期待することができます。
 しかし、ステンレスシンク本体の腐食による錆が原因ある場合、基本的に寿命として交換対応が基本となります。
 補修材などによる部分的な補修については、対応してくれる場合でも期間の保証などつけられないなど一定の条件を元に対応してくれる場合があります。
 シンクが独立型であれば入れ替えが比較的容易です。しかし、システムキッチンの一部であれば交換は非常に高額となる場合があります。

補修資材

 水漏れ補修を行ったステンレスキッチンシンクは30年以上使用した古いものです。
 このため、排水ホースなど樹脂部は硬化して曲がらない(形が変わらない)。ステンレスの部材は腐食により穴がある。ゴムパッキンは経年劣化による欠損。排水栓は長年の汚れが付着し不潔となっている状態で修繕に使用した資材です。
 キッチンシンクの状態や水漏れした箇所により、資材は少なくなります。
工具類:
・手袋
 ・軍手(汚れた時の変えとして複数2〜3組ほど)
 ・使い捨てポリエチ手袋(作業の汚れや補修材を使用するときなど頻繁に交換するため複数5組ほど。)
・ウォーターポンププライヤー又は、モーターレンチ
 配管の緩めや締め付け等に使用します。開口がかなり広いレンチやプライヤーがあれば代用できます。
・サンドペーパー
 腐食して発生した錆や、癒着して張り付いた古いゴムパッキンの除去。補修材の付着を良くするためステンレス表面を荒らす。硬化した補修材を均すために使用します。
 本作業では、目の粗さ♯60、♯240、♯800を使用。軽度の錆除去なら♯800のみで作業できます。錆が多い場合や、硬化した補修材を均す場合には目の粗い♯60〜♯240程のものもあった方が作業しやすいです。
・懐中電灯
 シンクの裏を照らすために使用します。
・布ウエス(廃棄予定の布やタオルで可)
 シンクに残る水や汚れをふき取るために使用します。
・パーツクリーナー等の脱脂材(油分を除去できる生活洗剤でも可)
 油汚れを除去するために使用します。手元にパーツクリーナーがあっため使用しましたが、油分が除去でき使用後に成分が残らないように出来れば洗剤でアルコール消毒でも使用できます。
・バケツ
 水漏れ確認や排水栓に残った水を捨てるために使用します。
・汚れても良い服装
 長年使用したキッチンシンクは本体の汚れや溜まった汚水や
修繕部材:
・排水栓 約2,000円
 古くても破損や変形がなければ基本的に交換不要です。本作業では30年以上経過し古く汚いため交換しています。
・排水ホース 約700円
 ホース内部に汚れが付着して取れない。経年劣化によりホースが曲がらない時に交換します。ホースが固くなるとホースが曲がらずに折れる。無理な力が排水栓に加わるなど水漏れの間接的な原因となります。
・ゴムパッキン(緩み止め) 約200円
 排水栓とキッチンシンクの間に緩み止めとして使用されています。排水栓を購入すると必要枚数(1枚)は付属しています。取付部のステンレスの腐食が酷いため、水漏れ目的としえt追加で1枚用意しています。
・補修材 約800円
 ロックタイトの多用途補修パテです。エポキシ樹脂の補修パテの他、金属用の補修パテであれば使用できます。

腐食・穴あきによる水漏れの補修方法

・水漏れ箇所の確認
 キッチンシンクを下から見て水漏れ箇所の確認を行います。穴等が原因の場合、下から見ると容易に発見できます。見ただけ原因がわからないときにはシンク内に水を貯めて確認します。
 水を貯めて水漏れがない場合、排水時に排水栓や排水ホースから漏れている可能性があるため、貯めた水を流して水漏れを確認します。

・排水ホース、排水栓の取り外し
 水漏れ箇所が排水栓・排水ホース。排水栓取付部であれば排水栓等を取り外します。
 排水栓は先に排水ホースを外し、次に排水栓を取り外します。プラスチック性の排水栓であれば手袋をつけて両手で力を入れて回すと取り外すことが出来ます。
 手で緩まないときは、ウォーターポンププライヤーやモーターレンチを使用します。

水分、油分の清掃
 補修箇所の状態確認や作業のため、布ウエス等で汚れをふき取ります。油分がある場合、洗剤やアルコール消毒薬等で油分を除去し、洗剤などを使用した場合には成分が残らないよう清掃します。

・ヤスリがけ
 排水栓を外した個所では古いゴムパッキンが癒着して残る。腐食による錆がある場合などではヤスリがけを行い錆などを除去して地金を露出させます。
 また、錆や汚れがない場合でも補修材の付着を高めるためヤスリがけを行い補修材を付着させたい箇所の表面を粗します。(癒着した古いゴムパッキンの除去では粗目♯240。錆取りと表面の粗しでは粗目♯800のサンドペーパーを使用。)

・削りかすの清掃
 ヤスリを使用した際に発生した削りかすをアルコールや水ぶき等で除去し、良く乾かします。

・補修材による補修
 用意した補修材(ロックタイトの多用途補修パテ)を必要分切り分け、色斑がなくなるまで指先で捏ねてから補修したい箇所に張り付けます。捏ねてた数分で硬化が始まるため、それまでに張り付けを行います。

・補修材の凹凸の均し
 硬化した補修材をヤスリを使用して均して目立たなくします。
 特に排水栓を取り付ける箇所に補修材を使用したときは、凹凸が水漏れ原因となるため丁寧に均すことが必要となります。
 使用したロックタイトの多用途補修パテでは、硬化時間(23℃):実用強度15分、ヤスリがけ60分、最終強度24時間となっているため、補修材を使用して60分以上経過してからの作業となります。

・水栓の取付
 排水栓の取付を行います。
 本来ゴムパッキンはステンレス下側のみとなりますが、取付部に穴があり補修材を使用しているため均しても補修パテにによる多少の凹凸が発生するため上側にもゴムパッキンを使用して取付けます。

・排水ホースの取付
 排水栓に排水ホースに取付、先端を排水口に差し込みます。

・水漏れ確認
 シンクに水を貯めて水漏れを確認します。
水漏れの確認
・水漏れの確認
 キッチンシンクを下から見た排水栓です。
 水漏れの多くは、シンク本体に出来た穴か排水栓の接合部から漏れてきます。
腐食により穴が空いたステンレスキッチンシンク
・腐食により穴が開いたステンレス
 発生した錆をサンドペーパーで除去した排す栓の取付部です。淵が錆により欠損しているほか、側面にも小さな穴が空いています。
 錆とりはシンクの表面だけでなく、裏面からも行ってあります。
補修パテによる穴埋め
・補修材による穴埋め
 補修材を使用した穴埋め箇所(ヤスリがけ前)です。
 排水栓の取付部は、取付時に密着する必要があるため最小限の厚みで均等に穴埋めします。
 排水栓の取付部以外では、厚みや凹凸があっても支障がないため、表面は均一に。裏面は丈夫にするため厚く肉付けします。
 補修材使用時に大まか形を整え、均しや見た目の調整はヤスリを使用して整えます。
補修パテで穴埋めしたキッチンシンク
・排水栓の取付
 補修材を使用した箇所に取り付けた排水栓の上側です。補修材が干渉しないよう不要部分はヤスリで削り取ってあります。
 また、補修材により少なからず凹凸が出来ているため、本来は不要なゴムパッキンを間に挟んでいます。
排水栓の取付
・排水栓の取付
 排水栓の裏側です。
 補修材は排水栓を取付ける箇所は薄く均一に。排水栓が干渉しない側面部は穴を塞ぐために厚く塗ってあります。
・水漏れ補修
 紹介に使用しているステンレスシンクは30年以上が経過し、排水栓取付部は取付部だけでなくその側面にも穴が空きかなり状態の悪いものです。
 紹介している作業では、実際に水漏れがなくなるまで3回補修(ヤスリがけなど)と水漏れ確認を繰り返し行い補修が完了しました。

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