壁紙・クロスは新築であれば定められた期間内でであれば保証を受けることが出来ます。この他、一部の火災保険であれば破損した原因等により修繕費に対する補償をうけることができます。地震保険では一部工法を除き基本的に補償の対象とはなりません。
新築住宅での保証
新築住宅では、建材である木やクロス自体が季節による乾燥により収縮する動作が大きいため、クロスのひび割れや皺が多く発生します。
一般的に壁紙・クロスは新築より1〜2年間の保証がされているため、期間内でハウスメーカー連絡することで修繕を受けることが出来ます。
修繕の方法は張替となるか部分的な補修とするかは損傷の程度などにより異なり、明らかな瑕疵でなければ通常は部分的な補修となります。ひび割れの幅が1mm以下であれば、木材やクロスの収縮により発生したもので瑕疵があるとは言えず、10mmなどの隙間がある場合には建物の構造に何らかの問題があると考えらます。
火災保険での補償
火災保険のワイドプランなど補償内容が大きい契約であれば「不測かつ突発的な事故」の補償が付いているものがあります。この補償があれば原因によっては壁紙等の破損に対して補償される場合があります。
例えば、家具を移動させれる際にぶつけた。子どもが遊んでいた際に物をぶつけた。などで発生した壁の穴や、壁紙・クロスが大きく傷ついた等であれば補償対象となります。
但し、傷の大きさが景観を損ない大きさである。免責金額が設定されている。など、実際に補償されるかは破損状況や契約内容により異なります。
地震保険での補償
地震保険の補償対象は、主要構造部分(軸組・基礎・屋根・外壁等)のため、壁紙・クロスは基本的{2×4(ツーバイフォー)工法を除く}に補償対象になっていません。
このため、地震により壁紙にひび割れが多少入っても対象とはなりません。しかし、壁紙の裏にある柱がズレて表面の壁に表れているなどの状況があれば地震保険の対象となります。また、柱がズレる程の地震であれば恐らく建物の基礎にひび割れなど発生しているため、基礎のひび割れ等の結果で地震保険の補償がされる場合があります。
ただし、地震保険の算定では破損した部分の個別補償ではなく、建物全体の破損状況に対して定率で保険金が支給されます。
地震保険が支給されても壁紙・クロスとしての補償されるわけではなく、壁紙・クロスを十分に修繕される金額は支給されません。基礎や構造部の修繕だけで支給された保険金が必要となります。
地震保険の支払い基準 |
損害の程度 |
主要構造部の損害割合 |
焼失または流出した床面積 |
支払われる保険金 |
全損 |
建物の時価の
50%以上 |
建物の床面積の70%以上 |
地震保険金額の100%
(時価額が限度) |
大半損 |
建物の時価の
40%以上〜50%未満 |
建物の床面積の50%以上〜70%未満 |
地震保険金額の60%
(時価額の60%が限度) |
小半損 |
建物の時価の
20%以上〜40%未満 |
建物の床面積の20%以上〜50%未満 |
地震保険金額の30%
(時価額の30%が限度) |
一部損 |
建物の時価の
3%以上〜20%未満 |
- |
地震保険金額の5%
(時価額の5%が限度) |
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